Jeff Beck
ジェフ・ベックが亡くなったというニュースが届きました。3大ギタリストの中では最も技巧派であり、ストイックであり、そして(歌えないという点のみを切り取れば)最も不器用とも言うべきギターヒーローが、突然この世を去ってしまいました。
クラプトンが三大ギタリストの中に数えられていたこともあり、もちろん若いときの演奏や映像を目にすることも多かったのですが、一方で晩年まで精力的に活動していたことからリアルタイムでも(といっても映像ですが)目に触れていたんですよね。
ギターインストゥルメンタルの世界を切り拓いたレジェンド、どうか安らかに。
新型コロナウイルス(デルタ株)に家族が感染したら
タイトルの通りですが、残念ながら先月、同居家族が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症しました。感染後しばらくして分かったことですが、いわゆるデルタ株だったそうです。
言葉にすると陳腐になりますが、(家族の)感染中、発症中は恐怖や不安から一瞬たりとも逃れられません。また本当に困ったのが「感染した場合」の展開や症状、期間の目安といった情報が少ないことでした。
感染した私の妻(ワクチンは未接種、初回接種予約を10日後に控えた頃。基礎疾患なし)の場合、下記のような経過をたどりました(残る家族のうち、私と娘は発症せずにPCR検査結果も陰性。私はワクチン2回接種済み、娘は乳児のためワクチン対象外)。
発症時:微熱(37℃台)と強い頭痛、便秘
発症3日目以降:高熱(38〜39℃台)と喉の痛み
発症5日前後〜:高熱、喉の痛みに加え、咳が日を追うごとに酷くなる
いわゆる味覚、嗅覚の違和感はあまりなかったよつです。ちなみにこの間、発症3日目に保健所の指示で受診したクリニック(初診ながら診察いただき、またその後のフォローアップも含め本当に感謝しております)で咳止めや解熱剤(ブルフェン)、抗生物質を処方していただいています。
本来、妻から微熱が出たと連絡があった初日の時点で都の発熱センターに電話すべきであったと強く反省しています。これほど初歩的なことすらできていなかったというのは、どれほど反省してもしすぎということはないので……。
重症化への分岐となるのは発症から一週間前後の時点、そこで熱が下がるか、という情報が多いのですが(実際、8割程度はそれまでに解熱するようです)、うちの場合一週間経過しても夕方になると高熱に戻ってしまう状態。咳も酷くなってきていたこと、自宅療養で娘への感染が当初から心配であったことから入院の希望を出していました。みなさんご存知の通り、この第5波による医療体制の逼迫から結果として叶いませんでしたが。
その後、発症から11日目にようやく解熱剤を使わずに平熱を保つことができました。さらに3日間、平熱でしたので現在は本人は療養解除となっています。私と娘は妻の療養解除後、14日間自宅待機となりました。
いまだに妻のワクチン接種も済んでいない中(予約は完了)、恐怖でしかありませんが、とりあえず最悪の自体を回避できました。今感じるのは、
パルスオキシメーターはあった方がいい
→素人が「救急車を呼ぶべきかどうか」、ようするに「ヤバいかどうか」定量的に判断できる唯一の手段
着圧ソックスはあった方がいい
→症状が出た陽性者はほぼ寝たきりになるので、血栓の防止が重要
微熱であってもとにかく発熱したら窓口に相談
→初動は大事です。対処療法の薬しか存在しなくとも、早めに医師の診察(入院はなかなかできない状況が続いていますが、発熱相談センターに連絡すれば土日でも診察はしてもらえることがほとんど)を受けることで状況をより正確に把握できます。また咳止め等の薬をもらうチャンスはそう多くありませんので(咳や喉の状態が悪化すると、薬を飲むことも困難になる)、とにかく早く診察を受けましょう
感染しないことが一番ですが、現在の感染状況では誰が罹っても不思議ではありません。どうか、焦らずに確実に必要な行動をとられることを心より願っています。
Layla Revisited (Live At LOCKN’) / Tedeschi Truck Bandが7月16日に発売
一番好きなアルバムは?と聞かれたら(聞かれませんが)、即答するのが「Layla and other assorted love sogs / Derek and The Dominos」。いわゆる「いとしのレイラ」ですね。その大好きなアルバムを、大好きなバンドがカバーというかなんというか、まあ再現したライヴ盤を発売するとあって心が躍ります。
レイラ・アルバム(曲名と区別するためあえてこう書きます)に収録された個々の楽曲は、Claptonのライヴで幾度か演奏されてきました。『Have You Ever Loved Woman?』なんて定番ですが、一方で『Why Does Love Got to Be So Sad?』なんてそう多くはプレイされていなかったんですよね。そう、収録曲の中でいくつかの楽曲は再現が難しい。なにせDuan Allman (The Allman Brothers Band)がアルバム発売の翌年に急逝しているわけで、かつ彼のようなギターを弾けるプレイヤーなど出てこようはずもなかった。が、出てきたわけです。Derek Trucks、Butch Trucks (The Allman Borthers Band) の甥ですね。
レイラ・アルバム発売(1970年)後のツアーでDuaneが加わった会場を除けば、Claptonのライヴでスライド・ギターの入った『Layla』『Why Does Love Got to Be So Sad?』は演奏されていないはず。そのスライド・ギター入りの編成が遂に実現したのが、Derek TrucksがClaptonのツアーメンバーに加わった2006年でした。なぜこのツアーが公式音源化されていないか本当に疑問なのですが、音源を聴くと本当に素晴らしい……。Derekよ、よくぞ生まれてきてくれた、Claptonもよく生き延びていたと言いたくなるほどの演奏です。いや、2001年の『One More Car, One More Rider』のツアーにDerekがいたら、とか贅沢を言ってはいけません。どちらも素晴らしいです、本当に。
さて、リンク先の記事にもありますが、7月の発売を前に『Why Does Love Got to Be So Sad』が先行配信されています。原曲の、哀しくもなにか感情が爆発するような良さもありますし、このTedeschi Trucks Bandらしさも出ているように思えます。レイラはアルバム自体、あまりに個人的な内容ですから、まるごとカバーなんてできるのかなと思っていましたが、これは期待大ですね。
ちなみに記事を読んで分かったのですが、Trucks夫婦って双方ともLayla好きだったんですね。特にDerekについてはローティーンの頃にステージでLaylaを演奏していたり、Claptonトリビュート・アルバムである『All Blues'd Up』でEric Galeと共にLaylaをカバーしていたり(名演です)。極めつけはAllman Brothers Band時代、2003年のライブで凄まじいLaylaを演っています(Instant Liveという企画物の『Verizon Wiress Ampitheatre, Charlotte, NC 8/9/03』収録)。
今回のLaylaはどうなるんだろう……叶うことなら、今回のアルバムを聴いたClapton (とBobby Whitlock) の感想が聞いてみたかったりします。
「WELQ問題」は「監修」で解決するのか?
ご存じの方も多いかと思いますが、DeNAが運営するキュレーションサイト「WELQ」が全記事を非公開化する措置を講じました。
一度世に出した(ユーザーに発信した)コンテンツの全てをクローズドな状態にするというのは、コンテンツ事業者としては大変に重い事態であると思います。
ここまでの事態に至ったのはこちらのサイトのこの記事が
DeNAがやってるウェルク(Welq)っていうのが企業としてやってはいけない一線を完全に越えてる件(第1回) | More Access! More Fun!
直接的な起点かと思いますが、それに遡ること一月ほど前、
の記事にあるような内容が、今回の事態を想起させるに十分だったのではないでしょうか。逆に言うと辻正浩氏が指摘していなかったら、永江一石氏が指摘していなかったらと思うと背筋が寒くなりますが……。
WELQの言う「監修」で事態は解決するのか?
WELQ、というよりはDeNA(?)が、昨日(2016年11月29日)付けで出したステートメントは以下の内容となっています。
【お知らせ】WELQの全記事の非公開化について
株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下DeNA)は、ヘルスケア情報を扱うキュレーションプラットフォーム「WELQ(ウェルク)」におきまして、医療情報に関する記事の信憑性について多数のご意見が寄せられたことを受け、検証および精査した結果、本日11月29日(火)21時をもって全ての記事を非公開といたしました。また同時に、現在WELQで取り扱いのある全ての広告商品の販売を停止いたしました。
ご利用いただいている皆様ならびに、広告主の皆様には、多大なるご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
医学的知見を有した専門家による監修がなされていない記事が公開されていたことに関して、かねてより進めている医師や薬剤師などの専門家による医学的知見および薬機法※をふまえた監修体制を速やかに整えます。その上で医学的根拠に基づく監修が必要な記事においては順次監修を行い、皆様に安心してご利用いただける状態にしたのち、WELQ編集部名義で記事を掲載していく方針です。
医療情報以外の非公開化記事に関しては、WELQ編集部にて記事の品質を確認したうえで公開判断を行います。
株式会社ディー・エヌ・エー:当社運営のキュレーションプラットフォームについて
※ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)
本件に関するお客さまからのお問い合わせ先
メールによるお問い合わせ https://welq.jp/reports/new
2016年11月29日
ここでは必要がある場合に「専門家」による記事の監修を行うことが謳われています。しかしそれでは問題は解決しないのではないでしょうか。このステートメント自体、結局どの人物の責任の下で出しているか分からない点も腑に落ちませんが、より大きな観点から今回のWelq問題を整理すると
- 健康・医療情報という分野でデマというべき信憑性の低い情報が氾濫していた
- 他サイトからの剽窃と思われる内容を含む記事があった
- 記事がユーザーにとって読みやすく、適切な内容となるような校正・校閲機能を事業者が有していなかった
- 質の低いコンテンツでありながら、強力なSEO対策によって、多くのキーワードにおける検索順位上位を占めていた
といった点が浮かんでくると思います。
健康・医療情報という分野でデマというべき信憑性の低い情報が氾濫していた
これは多くのサイトで指摘されている通りですが、肩こりが霊の……など(すでに当該記事は閲覧できませんが)非科学的、正しくない情報を含んだ記事が多く見られました。健康や医療といった人の命に関わる分野では、誤りを含んだ情報を(大量に)発信することのリスクは特に大きく、企業が利益のみを目的としてそうした事業を行うのは悪質であるといって差し支えないと思います。
「企業が利益のみを目的としてそうした事業を行う」というと「コンテンツ自体はユーザーが制作していたのでは?」という疑問が浮かぶ方もいらっしゃるかと思いますが、BuzzFeedによるこちらの記事
において、ほとんどのコンテンツをWELQの発注、指示・管理の下制作していたことが指摘されています。
ただこれはWELQ個別の問題にとどまらず、似たようなサイトが多くあることを考えると、検索結果の信頼性が低くなり、ユーザーがいちいち情報の信頼性を確認しなくてはいけなくなるわけで、社会全体のコストが増している昨今の状況の一部を表しているにすぎません。
ここで申し上げた「ユーザーがいちいち情報の信頼性を確認しなくてはいけなくなる」というのは、本来どの情報においても行うべきですが、デマサイトのようなものが氾濫するとその手間が著しく増す、ということを指しています。
こうしたことが無いようにWELQが取ろうとしているのが「監修」ですが、編集や執筆に関して素人、医療や健康についても素人の方が書いた記事を専門家が監修するというのは非常に労力がかかります。
医学専門家もどき活動家、welq記事を勝手に「監修」してみる (画像追加)
(上記記事と反対に適当で申し訳ありませんが)たとえば医師(医学的知見を有する人々の代表格)の時給を5000円とし、
…意外と時間がかかった(ここまで2時間)。ふだんなら対面打ち合わせで指摘したいところだが、勝手プロジェクトなので仕方ない。 全体を通して、記述の不整合と濃淡の差が大きすぎる。最初に述べた原則に従ってコピペ検索をしたところ、「原著」が5つ見つかった。
この実績をもとに計算すると、1記事について問題点をある程度あぶりだすだけで1万円が必要です。まあそれくらいなら十分ペイする可能性もありますが、ここから修正する時間を考えると、そもそもテーマに沿って専門家に執筆を依頼するorインタビュー形式で人々が感じる疑問を解説してもらう、といった方がコストが低いのではないかと思います。そして何より質も高くなるのではないでしょうか。
ただ、それではWELQのような媒体のビジネスモデルには合わないはずで、だからこそBuzzFeedが指摘したようなコンテンツ生産体制になっていたはず。ここにこの問題の根深さがあります。
少なくとも、WELQの場合「監修」という方法では収益を高いレベルであげながら最低限の質が担保された記事を一定量、持続的に生産していくことはできないのではないでしょうか
他サイトからの剽窃と思われる内容を含む記事があった
こちらも多くの方々から指摘されていますが、さらに問題なのはWELQが昨日発した声明がこの剽窃に関して触れていないことです。もちろんそもそも剽窃をしていない、という可能性もありますが、ここまで疑惑が指摘されている状況ですからもし無実であるならばその旨もあわせて情報発信をすべきではないでしょうか。
剽窃をしない、というのは世の中にコンテンツを出す上で絶対にクリアしなくてはならない一次品質の問題であって監修以前の問題です。
記事がユーザーにとって読みやすく、適切な内容となるような校正・校閲機能を事業者が有していなかった
これは他の観点と同じくWEBメディア(WELQのようなサービスの場合、メディアと呼んでよいものか判断が難しいですが……)全体がはらむ問題をWELQが代表しているというだけですね。
強力な校正・校閲機能を持つ新聞社から、校正システム自体は持ってはいるものの若干劣るWEBメディアに移った個人的な体験から申し上げますと、校正・校閲というのはメディアであれば可能な限り持つべきだとは思います。
どれほど丁寧に書かれた記事であっても、人為的なミス(「てにをは」から、果てはクリティカルなミスまで)というのは起こりうるものです。その可能性をなるべく低くするのが校正・校閲機能ですが、このコストを負担できるメディア、運営者というのは悲しいことに少ないと思います。中にはそもそも校正・校閲というシステムを理解している人が社内にいないだけといった場合もありますが、たいていの場合やはりそのコストを負担できるビジネスモデルになっていないのでしょう。
より壮大なことを申し上げれば、世の中に校正や校閲を経ない記事が多く出ると(私が執筆しているこの記事もそうですが)、社会全体の情報の質は下がり、また言葉のレベルも低下します。
たとえばいまさら子供たちに「新聞を読んでください」などと言う気はさらさらありませんが、新聞や本(=校正・校閲を経て世に出たコンテンツ)に触れることが2000年以前(2010年以前?)より減った今の子供たちは、どこで正しい言葉を身に着けるのでしょうか?
質の低いコンテンツでありながら、強力なSEO対策によって、多くのキーワードにおける検索順位上位を占めていた
だからWELQ問題が発覚した、ともいえるSEO対策の強力さ。ただ、検索順位の上位を占めること、それ自体はコンテンツに関わる事業者としては大変に真っ当な施策であると思います。
すでにユーザーの囲い込みができている媒体を除き、多くのメディアはオーガニックのユーザーが流入の大半を占めるはず。その人々に記事を届けるには、SEO対策は避けて通れません。ビジネス上はもちろん、せっかく作ったコンテンツをより多くの人に届けたいという誠意ある運営者であっても、SEO対策はすべきであると思います。
擁護しとくと、welqはクソ出し、今のDeNAパレットはクソだけど、DeNAパレットの戦略思想は極めて正しい。ちゃんと生まれ変われば、化けるかもしれん。頑張れパレット。
— 深津 貴之 (@fladdict) 2016年11月30日
ちゃんと生まれ変われれば、という点はなんとも言えませんが、そこさえクリアできれば化けます。
SEO対策というのは小手先の技術ではありますけれども、少し広い視野で捉えれば「いかにコンテンツを流通させ、いかに稼ぐか(よりよい運営に必要な経費を得るか)」につながります。別に流通施策というのはSEO対策に限らないにしろ、こうした思想は学ぶ点は本当に多いと思います。ただし、今回のような運営につながるのであればリスペクトはできません。
―長くなってしまいましたが今回感じたことは以上です。ここまで書いて約4300字ですが、例の4000字問題ってこれくらいの文章を中身もなく執筆させるという行為だったのですね……。
「アラブの春」後のエジプト、その沸騰を描く。『クラッシュ』(2016年/エジプト)@東京国際映画祭
『クラッシュ』を観てきました
10月25日から始まった東京国際映画祭。先日チケット騒動の中で無事(ではなかったようにも思いますが、私の場合多重決済はされておらず、しかも結果的に予約できていたので)獲得した『クラッシュ』という映画を観て参りました。
ストーリー自体については多くは申せませんが、カンヌの「ある視点」部門にふさわしい映画でした。デモの騒乱と集団が暴走した時の狂気、そして何よりも(アラブ諸国、特にエジプトでは長年の課題である)軍、警察の非人道的な振る舞い。
「アラブの春」がアラブ世界の中心地であるエジプトにも波及した後、結局何が残ったのか。あくまで結果論ながら、プラスの影響など何もなかったのではないか。安易に希望を抱かせるわけでもなく、しかしすべてが絶望でもなく、エジプト市民(作り手)が持つ複雑な思いを世界に伝える内容となっています。まあ「エジプト市民」などと一口に言えるほど単純ではありませんし、そうではないからこそ問題が深刻さを増す一方なのですが…。
ただ場面が護送車という限られた空間、しかし移動する空間で展開していくところに着想の素晴らしさを感じます。そういえばキアロスタミの追悼上映で公開されたBBC(?)制作のドキュメンタリもクルマと移動をうまく組み合わせた展開で飽きませんでした。
『クラッシュ』は31日、11月1日にも上映されます。ぜひ一度観る価値の映画ではないかと思います。特にかつての自分のようなアラブ世界に関心を持つ学生のみなさま、ぜひご覧になってみてください。
東京国際映画祭(TIFF)のチケット予約についての話
TIFFのチケット問題に巻き込まれました
10月15日のTwitterトレンドワードにランキング入りするなど話題の東京国際映画祭(略称:TIFF)。いわゆる?「TIFFチケット問題」についてです。単に私も巻き込まれたというだけですが……。
もとはエジプト大使館文化・教育・科学局の方からのメールで上映されるのを知った、こちらの映画が目当てでした。
予約開始は本日の12:00。正確には覚えていませんが、12時半ごろからチケットの予約をしようとTIFFのWEBサイトにアクセスしました。
予約手続きの開始当初から「結構重いなあ」とは感じました。不安を覚えつつ、リロードを何度かしながらようやく購入者の情報を入力するフォームにたどり着き、その次にはクレジットカードの情報を入力、決済をしようとしました。
しかし次ページで表示されたのは真っ白な画面。「ホワイトスクリーン」とでもいうべきか……。手続きを開始してから約15分ほど、その間何度リロード(もちろん連打などはしていません)したかは分かりません。
問題は「サイトが重いこと」ではない
私がネガティブな印象を持ったのは、真っ白な画面が表示されたことそのものではありません。1500円という額とは言え、決済が行われたのかどうかが確認する術がないという状況に対してです。
映画チケットに限らず、何らかの購買に対してクレジット決済が行われた場合、多くのWEBサービスでは決済完了画面が表示されます。「購入手続きが完了しました」などというようなものです。
それがなく、何度かリロードしてしまったがために「二重決済が行われてしまったのでは」という不安に駆られ、サイト上では状況確認出来ないのでTIFFの「チケットに関するお問い合わせはこちらへ」と記された電話番号にかけてみるも通話中で通じず。
まあこうしたトラブルが発生した場合、電話がパンクするのも常でしょう。ただ下記のような
東京国際映画祭チケットインフォメーションセンター受付電話番号:050-3786-0368 ・オペレーター対応受付時間:ひる12:00~よる18:00
(休業:土/日/祝日 東京国際映画祭開催期間中は無休)
センターの対応がそもそも土日は非対応(言うまでもなくチケット予約開始日=一番トラブルが予想される日は土曜日)というのはさすがにどうなんでしょうか。
限られた予算で、準備期間で、人員で、毎回素晴らしい映画祭にすべく多くの方々が奮闘されているのは容易に想像出来ます。
しかしお金が絡むサービスではもう少し慎重な運営がなされるべきなのではないでしょうか。二重決済がなされているかどうか、いやむしろ決済がされているのかどうかさえユーザーが確認しなくてはならないサービス、トラブルが予想される日にサービスセンターが休業日(不通だったため実際には営業していた可能性もありますが、表記上は休業)というのはいくらなんでもひどすぎます。一次品質をみたしていないサービスです。
「若い世代よ、投票しないと大変なことになるぞ」と言っていた人が大変なことになるかもしれない日
トピック「選挙」について
選挙です
参議院選挙だそうで。
投票日は今日ですが、もう期日前投票を済ませた方もいらっしゃるかもしれません。
過去最多、とのことですからね。
「若年層よ、投票に行こう」という呼びかけ
さて今回の選挙でいろいろアレ(この表現、ボキャ貧を露呈しているようでお恥ずかしい)だなあと思うのがこれ。
この選挙は10代の方が初めて選挙権を得た選挙でもあるわけですが、それに関連してウェブ上ではこれまでにもまして若年層への投票を呼びかける言説が見られます。もちろんそれは歓迎されべきものです。投票率は高いほうが良いですからね。より多くの方の意志が直接反映されるという点で。
で、何かデータがあるわけではないのでしょうもない私見でありますが、今回に限らず若年層へ投票を呼びかける方というのは、どこか
「これまで投票していない人(特に投票率が低い若年層に対して)がもっと投票に行くようになれば、野党への得票が多くなる、与党勝利を防げる」
という意図があるように感じられるのです。
まあ旧民主党政権時代の数年を除けば、この20年ほどは自民党を中心とした政権が続いてきましたから、その中でもっと投票に行こう(=なにかしらの民意が反映されていないと感じている)という人はその多くが与党支持ではないと思います。
で、さきほどの情勢調査です。若い世代は、与党支持の傾向があった。少なくとも今回の選挙においては。これ、与党を支持しない人たち(誤解なきように申し上げておきますが、私は与党支持ではありません。よって私も含まれます)にとっては絶望に近い何かをもたらすのではないでしょうか。
なぜ若年層の与党支持率が相対的に高いか、それは今の時点では分かりません。ただ高いことはどうやら間違いなさそうです。今回読売の調査をリンクしていますが、他のメディアの調査でもおおむね同様の結果が出ています。
「これまで自民党(と、その周囲の諸勢力)は高齢者向けの政策しかしてこなかった、若年層はないがしろにされている→若年層よ、投票に行こう」としていた人たち(そんなのお前の妄想だろと思う方もいるかもしれませんがおそらく結構の数いるはず)はどうすればいいのでしょうか。まだ投票結果は出ていないけれど、非与党支持層にとって今回の参院選は何かしらのターニングポイントになるように思えてなりません。
ただ、与党が勝とうが野党が勝とうが、どうなるにせよこれだけは申し上げておきたい。老若男女問わずみなさん、投票に行きましょう。
…以上、無党派層のつぶやき。